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2009.09/18(Fri)

南部の憂鬱 ⑥

「俺、才能があったんだなあ。射撃、火器の扱い、照準の合わせ方・・・。艦載機の操縦以外は、どれをとっても古代にだって引けを取らない。だけどさ、微妙な誤差を修正して、目標に正確に当てて、そうして、少しずつ俺の心は麻痺していくんだ。」

「でも南部のその才能のおかげで、俺たち、何度救われたか分からないぜ。」
相原は、努めて明るく言った。

「相原は、なんとしても、この航海を成功させたいと思っているだろう?」
「えっ。」
「第二の地球を見つけて、もう一度、あの人に会いに帰るんだろう?」
「あっ。ああ。」
「俺も、同じ気もちさ。もう一度、地球に帰りたい。」

そして、南部はまた悲しそうに笑った。
「だけど、やっぱりそれってエゴだよ。」
「南部・・・。」

「俺たちはエゴにまみれて生きていくしかないんじゃないのか。」
相原はそう言い放った。
「生きるって、きれいごとじゃないよ。」

「そうだな。」

南部は、それ以上答えなかった。相原にも、答えは出せない。

沈黙が支配した部屋に、時計の音だけが響いていた。
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