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2009.09/17(Thu)

南部の憂鬱 ④

「おい。そのくらいで止めとけよ。」
「大丈夫だよ。一眠りするから。」

南部は、ワインを一本空ける勢いで飲み続けていた。

相原は、だんだん、心配になってきた。
「後からくるぞ。」
「構わないさ。」
「南部・・・。」

目の前にいるのは、相原の知らない南部だった。
確かに、南部は、アルコールには強いし、ワイン一瓶空けたくらいでこの後の任務に差し支えることも無いのだろう。だが、こんなに不味そうに飲む姿は見たことがなかった。

「相原。悪いな。つき合わせちゃって。」
南部は最後の一杯を飲み干すと、ため息と一緒に大きく息を吐き出した。
「お前も、少し寝ろよ。」
「うん。そうするよ。」

相原は、南部の様子が気になったが、かえって一人にしてやった方が良いかもしれないと思って、立ち上がった。
「南部も早く寝ろよ。」
「ああ。」

しかし・・・。

─・・・!

部屋を出ようとして、もう一度振り返った相原は、結局、また座ってしまった。

南部が、泣いていた。
「南部・・・!」

南部は、メガネをベッドサイドに置いて、両手で顔を覆った。

相原は、ただ黙って南部の慟哭を聞いていた。

どのくらいの時間そううしていただろうか・・・。

「ごめん。相原。」
「いや。いいよ。少し落ち着いた?」
「ああ。」
俯いた南部の横顔は、青ざめてやつれていた。
「南部。何かあったのか?もしよかったら、話してくれよ。」

南部は何も言わなかった。眼鏡をはずした顔は、まるで別人のようだった。

「南部?」

南部はしばらくして、やっと重い口を開いた。

「俺は、この指一本で、何千何万もの人を殺すことができる。実際、そうやって、戦ってきた。結局、俺は人殺しなんだよ。」
南部は吐き捨てるようにいった。

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