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2016.11/13(Sun)

秘密 ④

扉の向こうは、まさに、別世界だった。
足早に通路を行きかう人々、インカムを首にかけて談笑する職員。絶え間なく響く電子音と、世界中から送られてくる映像が、洪水の如く画面上にあふれている。

晶子は、その特殊な緊張感に、圧倒されて、立ち尽くした。

─これが、おじい様のいることろ・・・。

晶子は、自分でもわからない感覚に、頭の芯がしびれるようだった。

「晶子さん。行きましょうか。」
ユキに促されて、管制室の傍を離れようとしたとき、一人の職員が声をかけてきた。

「ユキさん。」
「ああ、相原くん。」
「今日、仕事、定時で終われます?」
「ええ。大丈夫だと思うけど。」

それを聞いて、相原と呼ばれた職員は、嬉しそうに笑った。
「じゃあ。空けといて下さいね。」
「まあ。なあに?」
「昨日、南部と太田が火星基地から帰還したんですよ。それで、今日、ここに報告に来た帰りに、みんなでメシでも、ってことになって。島も合流すると思うんで、ユキさんも是非。」
「いいけど。そのメンバー、なんだか怖いわね。」
「えーっ。ひどいなあ。」

ユキは、大げさに肩をすくめる相原に、ちょっと困った顔をして見せた。
「あの、相原くん。いまちょっと、お客様をご案内する途中なんだけど。」

相原はびっくりして晶子の方を見た。晶子もあわてて、頭を下げた。
「あっ。すみません。気がつかなくて。」
そして、慌てて、走って行ってしまった。

晶子は、思わずクスっと笑ってしまった。
ここの空気にそぐわない人だと思った。
張りつめた糸を、僅かに揺らす風・・・そう、風のような人だ。

「彼、相原くんっていうの。仕事は超一流よ。でも、かわいい人でしょう?」

相原の後姿を見送る晶子に、ユキは悪戯っぽくささやいた。


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