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2009.10/15(Thu)

青春の影 ①

─近ごろ、おかしな事ばかりだ。

太田は、変化のないレーダーを眺めながら、考えていた。
相原は、定時交信の時間になるとソワソワし始めるし、南部のヤツはこの前ぶっ倒れて以来、相変わらず顔色が冴えないし。

─まったく、調子狂うよなあ。
太田は、頭の後ろで腕を組んで、席にもたれ掛かった。

計器の発する電子音と、遠くから響くエンジンの低い音が、一定のリズムで絶えず繰り返されていた。
おかしいと言えば、あれ以来、ガルマン帝国の攻撃が止んだのも、おかしな話だ。
あれ程の大艦隊を有する帝国が、ダゴン一人いなくなったからといって、どうにかなるとも思えない。

─この静けさ・・・。なんだか、気味が悪いな・・・。


「浮かない顔だな。何か気になることでもあるのか?」

太田は、突然、真田に声をかけられて飛び上がった。

「いえ!なんでもありません!」
「そうか?それならいいんだが。」

真田もそれ以上は追及しなかった。再び、何事もなかったかのように、自分の前のモニターを見ながら、艦内の各機関のチェックに余念がない。そうしている間にも、絶え間なく、工作班からの報告が上がってきているようだった。

太田は、そんな真田を横目で見ながら、苦笑した。
─だいたい、何でも自分でやらないと気が済まないんだからな。そんなんだから、寝る暇もないほど忙しいんだよ。

実際、真田は忙しい。
艦の補修から、新型機器の開発まで、ありとあらゆる作業を一手に引き受けていた。

─マッドサイエンティストなんて言葉があるけど、科学者なんて、みんな何処かがマッドなんだよ。

太田は、もう一度、誰にも悟られないように、苦笑した。

太田は、さりげなく、後ろを振り返って見た。
相原が、南部に冷やかされている。

─そうそう、南部。その調子で、煽っておけよ。相原のことだ、どうせ地球に帰ったら、大騒ぎするに決まってるんだから。

地球に帰ったら・・・か。

太田は、こっそり、小さなため息をついた。


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