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2009.09/16(Wed)

南部の憂鬱 ①

南部は、珍しく、後方展望室の窓から、漆黒の宇宙を眺めていた。
バーナード星を後にし、10日が過ぎようとしていた。

─トモ子さんは、無事、地球で赤ん坊を産めるんだろうか・・・。

少しばかり感傷的な自分に気がついて、フッと息を吐いた。口元に、自嘲的な笑みが浮かぶ。


「珍しいな。」
相原が、コーヒーを両手に持って、近づいてきた。

「そう?」
南部は、サンキュー、とコーヒーを受け取ると、再び窓の外に目を向けた。

「特に、変わったものも見えないだろう?」
相原も、南部の隣に立って、窓際の手すりにもたれながら、窓の外に目をやった。
果てしなく広がる漆黒の闇の中に、ポツリポツリと明かりが点ったように、大小さまざまな光点が浮かんでいる。

「たまには、こうして目的もなく、宇宙空間を眺めることだってあるさ。」
南部は、静かに笑った。

相原は、そんな南部を不思議そうに眺めた。
─何かあったのかな・・・。
南部の横顔は、少し、やつれて見えた。ダゴン艦隊と交戦状態に陥ってから、心身とも休まる時がないのかもしれない。もちろん、それは、南部に限ったことではないのだが・・・。

「相原。メシは?」
「もう済ませたよ。」
「時間、あるんだろう?」

─やっぱり変だ・・・。

「ああ。えっと、次の勤務まで、10時間くらいかな。」
「へえ、珍しくまとまって休めるんだな。」
「南部も似たようなもんだろう?」
「まあね。」

南部は手元のカップに視線を落とした。
「一度、戦闘が始まると、不眠不休だからな。こんな時くらい、のんびりさせてもらうさ。」
「そうだな。」

「なあ。」
南部は、コーヒーを飲みほすと、相原の方に向き直って続けた。
「ちょっと、俺の部屋に寄らないか?」
相原は、思わず、南部の顔を見た。南部から、自室に誘われる事はめったになかった。普段は、もっぱら、相原の部屋が、第一艦橋のみんなの談話室代わりだったから。

「いいけど、10時間の休憩時間には、俺の睡眠時間も含まれてるんだけど。」
「それは、俺も同じだよ。」

南部は先に立って、居住区へ向かって歩き出した。






 
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